行政不服審査法
昭和37年9月15日法律第160号
14条 審査請求機関
1 審査請求は、処分があつたことを知つた日の翌日から起算して
60日以内(当該処分について異議申立てをしたときは、当該異議申立てについての決定があつたことを知つた日の翌日から起算して30日以内)に、しなければならない。ただし、天災その他審査請求をしなかつたことについてやむをえない理由があるときは、この限りでない。

2 前項ただし書の場合における審査請求は、その理由がやんだ日の翌日から起算して1週間以内にしなければならない。

3 審査請求は、処分(当該処分について異議申立てをしたときは、当該異議申立てについての決定)があつた日の翌日から起算して1年を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。

4 審査請求書を郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成14年法律第99号)第2条第6項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第9項に規定する特定信書便事業者による同条第2項に規定する信書便で提出した場合における審査請求期間の計算については、送付に要した日数は、算入しない。

第15条 審査請求書の記載事項
1 審査請求書には、次の各号に掲げる事項を記載しなければならない。
1.審査請求人の氏名及び年齢又は名称並びに住所
2.審査請求に係る処分
3.審査請求に係る処分があつたことを知つた年月日
4.審査請求の趣旨及び理由
5.処分庁の教示の有無及びその内容
6.審査請求の年月日

2 審査請求人が、法人その他の社団若しくは財団であるとき、総代を互選したとき、又は代理人によつて審査請求をするときは、審査請求書には、前項各号に掲げる事項のほか、その代表者若しくは管理人、総代又は代理人の氏名及び住所を記載しなければならない。

3 審査請求書には、前2項に規定する事項のほか、第20条第2号の規定により異議申立てについての決定を経ないで審査請求をする場合には、異議申立てをした年月日を、同条第3号の規定により異議申立てについての決定を経ないで審査請求をする場合には、その決定を経ないことについての正当な理由を記載しなければならない。

4 審査請求書には、審査請求人(審査請求人が法人その他の社団又は財団であるときは代表者又は管理人、総代を互選したときは総代、代理人によつて審査請求をするときは代理人)が押印しなければならない。

第16条 口頭による審査請求
口頭で審査請求をする場合には、前条第1項から第3項までに規定する事項を陳述しなければならない。この場合においては、陳述を受けた行政庁は、その陳述の内容を録取し、これを陳述人に読み聞かせて誤りのないことを確認し、陳述人に押印させなければならない。

第17条 処分庁経由による審査請求
1 審査請求は、処分庁を経由してすることもできる。この場合には、処分庁に審査請求書を提出し、又は処分庁に対し第15条第1項から第3項までに規定する事項を陳述するものとする。

2 前項の場合には、処分庁は、直ちに、審査請求書の正本又は審査請求録取書(前条後段の規定により陳述の内容を録取した書面をいう。以下同じ。)を審査庁に送付しなければならない。

3 第1項の場合における審査請求期間の計算については、処分庁に審査請求書を提出し、又は処分庁に対し当該事項を陳述した時に、審査請求があつたものとみなす。

第18条 誤った教示をした場合の救済
1 審査請求をすることができる処分(異議申立てをすることもできる処分を除く。)につき、処分庁が誤つて審査庁でない行政庁を審査庁として教示した場合において、その教示された行政庁に書面で審査請求がされたときは、当該行政庁は、すみやかに、審査請求書の正本及び副本を処分庁又は審査庁に送付し、かつ、その旨を審査請求人に通知しなければならない。

2 前項の規定により処分庁に審査請求書の正本及び副本が送付されたときは、処分庁は、すみやかに、その正本を審査庁に送付し、かつ、その旨を審査請求人に通知しなければならない。

3 第1項の処分につき、処分庁が誤つて異議申立てをすることができる旨を教示した場合において、当該処分庁に異議申立てがされたときは、処分庁は、すみやかに、異議申立書又は異議申立録取書(第48条において準用する第16条後段の規定により陳述の内容を録取した書面をいう。以下同じ。)を審査庁に送付し、かつ、その旨を異議申立人に通知しなければならない。

4 前3項の規定により審査請求書の正本又は異議申立書若しくは異議申立録取書が審査庁に送付されたときは、はじめから審査庁に審査請求がされたものとみなす。

第19条
処分庁が誤つて法定の期間よりも長い期間を審査請求期間として教示した場合において、その教示された期間内に審査請求がされたときは、当該審査請求は、法定の審査請求期間内にされたものとみなす。

第20条 異議申立ての前置
審査請求は、当該処分につき異議申立てをすることができるときは、異議申立てについての決定を経た後でなければ、することができない。ただし、次の各号の一に該当するときは、この限りでない。
1.処分庁が、当該処分につき異議申立てをすることができる旨を教示しなかつたとき。
2.当該処分につき異議申立てをした日の翌日から起算して3箇月を経過しても、処分庁が当該異議申立てにつき決定をしないとき。
3.その他異議申立てについての決定を経ないことにつき正当な理由があるとき。

第21条 補正
審査請求が不適法であつて補正することができるものであるときは、審査庁は、相当の期間を定めて、その補正を命じなければならない。

第22条 弁明書の提出
1 審査庁は、審査請求を受理したときは、審査請求書の副本又は審査請求録取書の写しを処分庁に送付し、相当の期間を定めて、弁明書の提出を求めることができる。

2 弁明書は、正副2通を提出しなければならない。

3 前項の規定にかかわらず、情報通信技術利用法第3条第1項の規定により同項に規定する電子情報処理組織を使用して弁明がされた場合には、弁明書の正副2通が提出されたものとみなす。

4 前項に規定する場合において、当該弁明に係る電磁的記録については、弁明書の正本又は副本とみなして、次項及び第23条の規定を適用する。

5 処分庁から弁明書の提出があつたときは、審査庁は、その副本を審査請求人に送付しなければならない。ただし、審査請求の全部を容認すべきときは、この限りでない。

第23条 反論書の提出
審査請求人は、弁明書の副本の送付を受けたときは、これに対する反論書を提出することができる。この場合において、審査庁が、反論書を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。

第24条 参加人
1 利害関係人は、審査庁の許可を得て、参加人として当該審査請求に参加することができる。

2 審査庁は、必要があると認めるときは、利害関係人に対し、参加人として当該審査請求に参加することを求めることができる。

第25条 審理の方式
1 審査請求の審理は、書面による。ただし、審査請求人又は参加人の申立てがあつたときは、審査庁は、申立人に口頭で意見を述べる機会を与えなければならない。

2 前項ただし書の場合には、審査請求人又は参加人は、審査庁の許可を得て、補佐人とともに出頭することができる。

第26条 証拠書類等の提出
審査請求人又は参加人は、証拠書類又は証拠物を提出することができる。ただし、審査庁が、証拠書類又は証拠物を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。

第27条 参考人の陳述及び鑑定の要求
審査庁は、審査請求人若しくは参加人の申立てにより又は職権で、適当と認める者に、参考人としてその知つている事実を陳述させ、又は鑑定を求めることができる。

第28条 物件の提出要求
審査庁は、審査請求人若しくは参加人の申立てにより又は職権で、書類その他の物件の所持人に対し、その物件の提出を求め、かつ、その提出された物件を留め置くことができる。

第29条 検証
1 審査庁は、審査請求人若しくは参加人の申立てにより又は職権で、必要な場所につき、検証をすることができる。

2 審査庁は、審査請求人又は参加人の申立てにより前項の検証をしようとするときは、あらかじめ、その日時及び場所を申立人に通知し、これに立ち会う機会を与えなければならない。

第30条 審査請求人又は参加人の審尋
審査庁は、審査請求人若しくは参加人の申立てにより又は職権で、審査請求人又は参加人を審尋することができる。

第31条 職員による審理手続
審査庁は、必要があると認めるときは、その庁の職員に、第25条第1項ただし書の規定による審査請求人若しくは参加人の意見の陳述を聞かせ、第27条の規定による参考人の陳述を聞かせ、第29条第1項の規定による検証をさせ、又は前条の規定による審査請求人若しくは参加人の審尋をさせることができる。

第32条 他の法令に基づく調査権との関係
前5条の規定は、審査庁である行政庁が他の法令に基づいて有する調査権の行使を妨げない。

第33条 処分庁からの物件の提出及び閲覧
1 処分庁は、当該処分の理由となつた事実を証する書類その他の物件を審査庁に提出することができる。

2 審査請求人又は参加人は、審査庁に対し、処分庁から提出された書類その他の物件の閲覧を求めることができる。この場合において、審査庁は、第三者の利益を害するおそれがあると認めるとき、その他正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができない。

3 審査庁は、前項の規定による閲覧について、日時及び場所を指定することができる。

第34条 執行停止
1 審査請求は、処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げない。

2 処分庁の上級行政庁である審査庁は、必要があると認めるときは、審査請求人の申立てにより又は職権で、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止その他の措置(以下「執行停止」という。)をすることができる。

3 処分庁の上級行政庁以外の審査庁は、必要があると認めるときは、審査請求人の申立てにより、処分庁の意見を聴取したうえ、執行停止をすることができる。ただし、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止以外の措置をすることはできない。

4 前2項の規定による審査請求人の申立てがあつた場合において、処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があると認めるときは、審査庁は、執行停止をしなければならない。ただし、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき、処分の執行若しくは手続の続行ができなくなるおそれがあるとき、又は本案について理由がないとみえるときは、この限りでない。

5 審査庁は、前項に規定する重大な損害を生ずるか否かを判断するに当たつては、損害の回復の困難の程度を考慮するものとし、損害の性質及び程度並びに処分の内容及び性質をも勘案するものとする。

6 第2項から第4項までの場合において、処分の効力の停止は、処分の効力の停止以外の措置によつて目的を達することができるときは、することができない。

7 執行停止の申立てがあつたときは、審査庁は、すみやかに、執行停止をするかどうかを決定しなければならない。

第35条 執行停止の取消し
執行停止をした後において、執行停止が公共の福祉に重大な影響を及ぼし、又は処分の執行若しくは手続の続行を不可能とすることが明らかとなつたとき、その他事情が変更したときは、審査庁は、その執行停止を取り消すことができる。

第36条 手続の併合又は分離
審査庁は、必要があると認めるときは、数個の審査請求を併合し、又は併合された数個の審査請求を分離することができる。

第37条 手続の承継
審査請求人が死亡したときは、相続人その他法令により審査請求の目的である処分に係る権利を承継した者は、審査請求人の地位を承継する。

2 審査請求人について合併又は分割(審査請求の目的である処分に係る権利を承継させるものに限る。)があつたときは、合併後存続する法人その他の社団若しくは財団若しくは合併により設立された法人その他の社団若しくは財団又は分割により当該権利を承継した法人は、審査請求人の地位を承継する。

3 前2項の場合には、審査請求人の地位を承継した相続人その他の者又は法人その他の社団若しくは財団は、書面でその旨を審査庁に届け出なければならない。この場合には、届出書には、死亡若しくは分割による権利の承継又は合併の事実を証する書面を添付しなければならない。

4 第1項又は第2項の場合において、前項の規定による届出がされるまでの間において、死亡者又は合併前の法人その他の社団若しくは財団若しくは分割をした法人にあててされた通知その他の行為が審査請求人の地位を承継した相続人その他の者又は合併後の法人その他の社団若しくは財団若しくは分割により審査請求人の地位を承継した法人に到達したときは、これらの者に対する通知その他の行為としての効力を有する。

5 第1項の場合において、審査請求人の地位を承継した相続人その他の者が2人以上あるときは、その1人に対する通知その他の行為は、全員に対してされたものとみなす。

6 審査請求の目的である処分に係る権利を譲り受けた者は、審査庁の許可を得て、審査請求人の地位を承継することができる。

第38条 審査庁が裁決をする権限を有しなくなつた場合の措置
審査庁が審査請求を受理した後法令の改廃により当該審査請求につき裁決をする権限を有しなくなつたときは、当該行政庁は、審査請求書又は審査請求録取書及び関係書類その他の物件を新たに当該審査請求につき裁決をする権限を有することになつた行政庁に引き継がなければならない。この場合においては、その引継ぎを受けた行政庁は、すみやかに、その旨を審査請求人及び参加人に通知しなければならない。

第39条 審査請求の取下げ
1 審査請求人は、裁決があるまでは、いつでも審査請求を取り下げることができる。

2 審査請求の取下げは、書面でしなければならない。

裁決
1 第40条 審査請求が法定の期間経過後にされたものであるとき、その他不適法であるときは、審査庁は、裁決で、当該審査請求を却下する。

2 審査請求が理由がないときは、審査庁は、裁決で、当該審査請求を棄却する。

3 処分(事実行為を除く。)についての審査請求が理由があるときは、審査庁は、裁決で、当該処分の全部又は一部を取り消す。

4 事実行為についての審査請求が理由があるときは、審査庁は 、処分庁に対し当該事実行為の全部又は一部を撤廃すべきことを命ずるとともに、裁決で、その旨を宣言する。

5 前2項の場合において、審査庁が処分庁の上級行政庁であるときは、審査庁は、裁決で当該処分を変更し、又は処分庁に対し当該事実行為を変更すべきことを命ずるとともに裁決でその旨を宣言することもできる。ただし、審査請求人の不利益に当該処分を変更し、又は当該事実行為を変更すべきことを命ずることはできない。

6 処分が違法又は不当ではあるが、これを取り消し又は撤廃することにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、審査請求人の受ける損害の程度、その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮したうえ、処分を取り消し又は撤廃することが公共の福祉に適合しないと認めるときは、審査庁は、裁決で、当該審査請求を棄却することができる。この場合には、審査庁は、裁決で、当該処分が違法又は不当であることを宣言しなければならない。

第41条 裁決の方式
裁決は、書面で行ない、かつ、理由を附し、審査庁がこれに記名押印をしなければならない。

2 審査庁は、再審査請求をすることができる裁決をする場合には、裁決書に再審査請求をすることができる旨並びに再審査庁及び再審査請求期間を記載して、これを教示しなければならない。

第42条 裁決の効力発生
1 裁決は、審査請求人(当該審査請求が処分の相手方以外の者のしたものである場合における第40条第3項から第5項までの規定による裁決にあつては、審査請求人及び処分の相手方)に送達することによつて、その効力を生ずる。

2 裁決の送達は、送達を受けるべき者に裁決書の謄本を送付することによつて行なう。ただし、送達を受けるべき者の所在が知れないとき、その他裁決書の謄本を送付することができないときは、公示の方法によつてすることができる。

3 公示の方法による送達は、審査庁が裁決書の謄本を保管し、いつでもその送達を受けるべき者に交付する旨を当該審査庁の掲示場に掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも1回掲載してするものとする。この場合においては、その掲示を始めた日の翌日から起算して2週間を経過した時に裁決書の謄本の送付があつたものとみなす。

4 審査庁は、裁決書の謄本を参加人及び処分庁に送付しなければならない。

第43条 裁決の拘束力
1 裁決は、関係行政庁を拘束する。

2 申請に基づいてした処分が手続の違法若しくは不当を理由として裁決で取り消され、又は申請を却下し若しくは棄却した処分が裁決で取り消されたときは、処分庁は、裁決の趣旨に従い、改めて申請に対する処分をしなければならない。

3 法令の規定により公示された処分が裁決で取り消され、又は変更されたときは、処分庁は、当該処分が取り消され、又は変更された旨を公示しなければならない。

4 法令の規定により処分の相手方以外の利害関係人に通知された処分が裁決で取り消され、又は変更されたときは、処分庁は、その通知を受けた者(審査請求人及び参加人を除く。)に、当該処分が取り消され、又は変更された旨を通知しなければならない。

第44条 証拠書類等の返還
審査庁は、裁決をしたときは、すみやかに、第26条の規定により提出された証拠書類又は証拠物及び第28条の規定による提出要求に応じて提出された書類その他の物件をその提出人に返還しなければならない。